こんにちは、リンです。
理系学生の皆さん、他の理系学生がどのような就活をしているか興味はありませんか?
自分の認識は周囲と合っているのか、それともズレているのか?
周りより就活を有利に進めるにはどうすればいいのか?
確認したいですよね。特に信頼できるデータを基に教えてほしいですよね。
そこで本日は理系学生への就職活動に関する8331回に及ぶアンケート調査結果を深堀します。
1 2 3 4 | 【調査データ】:2021卒 理系学生の就職活動(専攻分野別) ~キャリタス就活2021 学生モニター調査 【調査対象】:2021年3⽉に卒業予定の⼤学⽣(理系は⼤学院修⼠課程含む) 【回答母数】:計8331回 【調査方法】:インターネット調査法 |
信用できる調査結果ですね。
そこに理系卒・理系職社会人歴数年・就活ブログ情報発信者の私が少々コメントを入れていくという記事にしていきます。
僕の就活意識は周りとズレてるのか確かめたいよ。
でもデータを見ても就活したことないし、考察出来ないよ…
という理系学生の為に、就活情報を常に発信しているプロが代わりに考察していきます。
一般的な理系学生の就職活動について深く知る事で、就職を有利に進める方法を提案していきます。
少し長丁場な記事となりますが、就活の基本を抑えるには有用です。
↓今回深堀する項目↓
- インターンシップ参加状況
- インターンシップで重視すること
- インターンシップ後のアプローチや優遇
- 業界研究を始めた時期
- 企業探しに有益な情報源
- 自分にとって「働き甲斐のある企業」
- 就職活動量
- 内定率の推移
- 就職決定業界
- 就職決定職種、決定企業規模
- 就職決定企業への応募ルート、専攻分野との関連
- 就職決定企業で働きたいと思ったタイミング
- 就職決定企業のインターンシップ参加状況
- 就職市場の⾒方(売り⼿市場観)
インターンシップ参加状況
理系学生はインターンシップを経験したのでしょうか?
- インターンシップ参加率
- インターンシップ参加社数
- インターンシップ参加時期
- インターンシップで重視すること
- インターンシップ後のアプローチや優遇
の5本立てで深堀していきましょう。
理系のインターンシップ参加率
全体的に見ると、インターンシップは1日以内の実施が多いようです。
特記すべきは5日以上のインターンでしょう。
機械・電気系は5日以上のインターン参加率が多く、化学・農学・薬学系は少ない結果になっています。
- 製造メーカー・IT系は中期・長期インターンを実施→囲い込み戦略
- 食品・化学メーカーは短期インターンが多い→通常選考
このような業界の採用戦略の違いが表れているのではないでしょうか。
加えて機械・電気系は専攻に関係のある企業への就職、化学・農学・薬学系は専攻に関係のない企業への就職が多い傾向にあります。
化学・農業・薬学系は幅広く様々な企業を見ようとする動きがデータに反映されているとも考えられます。
インターンの特権の一つ、「内定直結ルート」に入るにはやはり3日以上の中期・長期インターン参加が望ましいです。
少なくとも興味のある企業のインターンには必ず参加するように動き出しましょう。
インターンシップ参加社数
インターンシップの参加社数は上記の通りです。
- 1日以内:5, 6社
- 2~4日以内:2社
- 5日以上:1, 2社
平均的にはこの程度インターンに参加すれば、早期選考ルートや内定直結ルートに2,3社程度入れるでしょう。
インターンシップは時間が掛かりますが、実務内容を知るなど非常に有意義なものです。
「興味があるからインターンシップに参加しよう」くらいの意気込みで十分なので積極的に参加しましょう。
インターンシップ参加時期
- 夏インターンは8,9月(エントリーは6,7月〆)
- 冬インターンは2月(エントリーは11,12月〆)
- 特に情報系は夏インターンで早期囲い込み戦略
大学生の長期休暇の時期でのインターン実施が集中しています。
多くの企業は夏・冬インターンを開催しますので、エントリー〆切を気を付けて数多く応募しましょう。
気を付けなければならないことは、
- インターン選考のSPI対策は講義の合間にやる必要がある
- インターンのSPI・ES〆は中間テストと被りやすい
この辺りです。
つまりインターンに確実に参加するためには「早めのSPI対策」「早めのES対策」が欠かせません。
↓SPIは14日で対策可能という持論があります。こちらの記事が参考になると思います。
ESについては「通過者の過去ES」が非常に有用です。
過去ESはたいていUniStyleという無料会員制サイトで収集できます。
UniStyleは
- 内定者のエントリーシート
- 面接突破のコツ
- 上場していない優良企業
- 就活生の選考レポート
などの就活最重要情報が載っています。これはいずれ過去ES収集とかで閲覧することになりますよ。
なるべく早めに閲覧しておけば就活のスタートダッシュとして完璧です。
↓リンク貼っておきます
インターンシップで重視すること
8,9月の夏インターン、2月の冬インターンであれば「学業に支障がでないこと」はクリアできます。
大体の企業が夏冬インターンのみなので、あまり気にする必要はないかと思います。
- 実践的な仕事が経験できること
- 本選考での優遇が期待できること
- 採用直結型であること
この辺りは自力で調べるしかありません。企業側もこれらは公開できませんので。
Webで調べるなら、可能性があるサイトは以下の通り。
過去のインターン参加レポートがあれば御の字です。
志望企業のレポートが無いか、調べてみましょう。
インターンシップ後のアプローチや優遇
インターンに参加した理系学生は、その後にアプローチや優遇がされるものなのでしょうか?
答えはYES。当然優遇されます。
- 早期選考(=内定数確保の為に設けられる非常に有利な選考)
- 懇談会の案内(ここでリクルーターや別選考ルートへの案内などもある)
- 筆記試験や選考の減免(=最終面接からスタートなど)
などは非常に有利になります。
多くの企業がインターン参加者を囲い込もうと躍起になっています。
↓例えばこのようなデータも公開されています。
企業側から見ると、「学生の量・質を求めて採用する必要がある」という意図が分かりますよね。
インターン参加者は
- 入社意欲が高い(=簡単に辞めない学生の確保)
- インターンで能力を確認できる(=質の高い学生の確保)
という理由で「絶対に囲い込みたい人材」ですよね。
インターンに参加するだけでほぼ勝ちです。
理系学生が業界研究を始める時期
ほぼ線形に割合が上がっていきます。
これを見ると、「多くの理系学生はインターンのタイミングで業界研究をしている」とも言いかえれます。
しかしそれって少々遅くないですかね?
業界研究を十分に済ませて、その上で志望企業を決めてインターンに臨まないと、折角の選考優遇カードを無駄にすることになります。
よって業界研究・企業研究は少なくとも夏インターン前の5月にはスタートすべきですよね。
十分に研究してから、6,7月のインターンエントリーに臨むのがベストです。
業界研究をするには?
一番のオススメは「会社四季報 業界地図」です。
↓このようなコラムが多々掲載されており、どの企業がどのような技術に強いのかが分かります。
自信が興味のある業界については必ず一目通しておくようにしましょう。面接対策にもなります。
企業探しに有益な情報源
「企業探しってどこですれば?」
「有益な企業情報ってどこに書いてあるの?」
という悩みは尽きません。理系学生はどのように調べているのでしょうか?
やはり1位は就活情報サイトとなっています。
やはり1位は就活情報サイトですね。
様々な就活情報サイトがあるので活用すると就活が効率よく進みます。
私も数々の就活サイトを閲覧していましたが、主力サイトはこんな感じでしたので是非お使いください。
基本的に就活情報サイトは無料会員登録制です。
お金が必要になる場面はありませんので、就活情報の流し見として登録しておくのも有効でしょう。
合同企業説明会も
「あまり興味のなかった業界に興味を持った」
「志望企業の社員と面識を持って連絡を取るようになった」
などメリットが沢山あります。面倒くさがらず参加する方が良いでしょう。
自分にとって「働き甲斐のある企業」
理系学生は何をもって「働き甲斐のある」と感じるのでしょうか?
- 自分を認めてくれる
- 社会貢献の実感
- エンドユーザーからの感謝
- 予想外の出会いや出来事
- 実力主義の給与体制
- 自己顕示
との順番とのこと。
さて、社会人歴数年の私から率直な感想を述べます。
- これら全ては確かに働き甲斐を感じる。
- 「自分を認めてくれる上司・先輩」の存在は半分運、半分あなたの人柄次第。
- 「社会貢献の実感」「エンドユーザーからの感謝」「実力主義の給与体制」は大企業では得られにくい。
- ベンチャー系ではこれらやりがいは感じられるが、待遇とトレードオフの関係になりやすい。
- 結局はインターンシップで実感を得るしか確かめる術がない。
- 正直働き甲斐も大事だが、待遇や成長の実感を優先した方が良い気がする。
くらいでしょうか。
↑こちらの記事で入社してから後悔することランキングを調べています。
一部結果を抜粋します。
転職は割とネガティブな理由が原因です。
これら理由の中に、「先ほどの働き甲斐のある会社」に関する項目はランキングに入っているでしょうか?
あまり見られないですよね。
つまり働き甲斐を求めるのも大事ですが、本当の満足の為には待遇や安心感・成長を感じられることなどに焦点を絞った方が後悔のない就活になる可能性が高いでしょう。
理系就活生の就職活動量
理系就活生はどの程度の就職活動を行っているのでしょうか?
- エントリー:約22社
- 企業セミナー:約11社
- ES:約12社
- 面接:約7社
- 工場見学:約3社
- 研究所見学:約2社
との調査結果です。
これは学部により大きく傾向が異なります。
機械・電気・IT系は「インターンで既に囲い込みがされている」という理由で就職活動自体が少なくなっています。
一方で化学・農学・薬学系はやや文系に近い就活になりますので就職活動量が大きくなりがちです。
私からコメント。
- 【化学・農学・薬学系】はやや広い範囲で業界を調べる必要があり、「就活の軸」を意識しないと発散して志望業界がまとまらない恐れがあります。面接で「なぜ様々な業界を受けているのか?弊社の業界一本では何故ないのか?」という質問が来ても納得させられる回答を出せるように軸をしっかり持つ必要があります。
- 【機械・電気・IT系】の就活は有利に進むため、「早期選考に呼ばれたからこの企業でいいか」「専攻に関わりのある業界だけ見ればいいか」と視野を狭めがちです。あなたが本当に楽しく働ける企業は、専攻の業界だけでしょうか?インターンで囲い込まれた企業に就職することが本当に幸せなのでしょうか?短期的な楽さだけを見て、企業を決めていないでしょうか?就活を進めると思いがけない興味のある業界を見つけるなど多々あります。専攻企業から内定を得るにしても、やはり文系学生レベルで幅広く業界を俯瞰した方が入社してからの後悔がありません。
理系学生の内定率推移
- 2月以前・3月の早期内定は理系全体で高い水準。
- ただし4月からの内定は機械・電気・情報系が先行する。化学・農学・薬学系は選考が進まない。
- 最終的には全ての選考で差が縮まる。
これは2020年の調査結果なので、4月の緊急事態宣言で化学・農学・薬学系の選考が一旦鈍化したことが影響しています。
「インターン参加者を優先的に囲い込み、通常選考者を絞る」という戦略を取った企業が多いと伺っています。
とはいえ、4月になる前に内定を出す企業は40%近くに達しています。
通常選考ルートで4月はあまりにも早いので、早期選考ルートだと考えられます。
やはり夏冬インターンは行きましょう。
就職決定業界
基本的には専攻に沿った業界となっているようです。
昨今は僻地での勤務を避ける傾向も挙がり始めています。情報処理・ソフトウェア・情報・インターネットサービスなどの「IT系」に専門外からも就職する傾向が目立ちます。
基本的に勤務地が都会になりますので、僻地を避ける学生はこのような企業も見ておく必要があります。
あなたの性格・趣味・現在の人間関係などを考えて「僻地でもOKなのか」「都会でないとQOLが上がらないのか」この辺りも業界を決める大きな基準にしても良いでしょう。
決定企業規模
- 機械・電気系は大手企業への就職が目立つ
- 情報系は中・小(ベンチャー系)への就職が目立つ
- 化学・農学・薬学系は文系と同じような分布
と言えるでしょう。
機械・電気系は日本が誇る大手製造メーカーが囲い込みを多く掛けられます。
情報系は昨今のITベンチャー設立ブームもあり、「勤務地・働き甲斐・スキルの向上」を目指して小規模企業への就職をする学生が多いようです。
化学・農学・薬学系は幅広い業界に就職しているので、文系と同じような分布になっています。
大手企業がいい、ベンチャーがいいとも言いませんが、どちらも一長一短です。
大手→ベンチャー、ベンチャー→大手への転職を試みる社会人は数多くおります。
出来れば両方ともインターンに行き、自身の心がどのように感じるのかを実感することが大事だと考えます。
就職決定企業への応募ルート、専攻分野との関連
- 機械・電気系は学校・教授推薦を活かして専攻の職種に就く割合が高い
- 情報系は推薦をあまり使わず、専攻の職種に就く割合が高い
- 化学・農学・薬学系は推薦を使わず、専攻の職種に就く割合が低い
このような結果になっています。
機械・電気系は「学校推薦を使えば製造メーカー系大企業に行ける」という環境が整っている場合が多いです。
加えて「推薦を使う他の企業は辞退する必要がある」という強制力によって、「大手製造メーカーでいいか」という楽観的な就活になる可能性が高い事がデータに表れているようです。
情報系は「専攻を活かせるし、勤務地は都会だし、作業着とか着なくていい」という「キラキラした社会人」を目指してIT系企業に就職するという流れが出来上がっているように感じます。
学校推薦を使わない理由も、そもそもIT系には推薦という概念が薄く、インターンで早期囲い込みをされておりそのまま就職するというケースが多い事によるものでしょう。
化学・農学・薬学系は「推薦を使って専攻の職種に就いても待遇が若干悪い。」「待遇の良い大手化学メーカーは倍率が高い。」「専攻の職種に就くと必然的に僻地勤務になる。」などの理由で専攻外の職種に就く可能性が高いです。よってIT系や商社などを狙うことも多々あります。やはり若干文系に近い就活になるというデータですね。
就職決定企業で働きたいと思ったタイミング
申し上げておきたいのは「面接等の選考試験を重ねていく中で徐々に」とは「勘違い・自己暗示の類」です。
面接等の選考でその企業の良さは分かりません。何故なら選考で会うのは殆ど人事だけであり、あなたの職場の人間は居ないからです。
人事は技術系の職場なんて見たことがなく、「選考に来た学生から如何に辞退者を出さないか」を強く考えています。取り繕って会社を良く見せようとするのは当然ですよね。
就活上手く行かなくて持ち駒減ってきた…。でもこの企業は選考が上手く行くな!あれ?俺ってこういう職に就きたかったのかな?向いているのかな?段々良い企業に見えてきたぞ!
という事は往々にしてあります。
大事なことは「面接のときに良い企業だと勘違いする」のではなく「事前に企業を調べたり、OBOG訪問したり、インターンに行って良い企業だと実感する」ではないでしょうか?
やはり就活は早く動き出す必要がありますよね。
機械系・電気系・情報系はそもそも選考があまりありません。
インターンや学校推薦を使えば、囲い込み済みで最終面接からスタートという待遇が多いので。それがデータとして表れています。
就職決定企業のインターンシップ参加状況
- 理系は約9社程度のインターンに行き[既出データ]、約半数の学生がその中の企業に就職している。
- 化学・農学・薬学系はインターンシップ参加企業が他学部より1社程度多いことがデータに反映されている。
- 推薦を使う場合、インターンシップに参加しない学生が多い(どうせ受かるから必要無いなどと思い込む)
インターンに行った企業だけでなく、後々改めて就職したい企業を考えた結果、後者に就職したというパターンが多いでしょう。
理想は「行きたい企業にインターンに行き、満足して就職する」ですが難しい点もありますからね。
事前に幅広く業界を俯瞰して、行きたい業界・行きたい企業をピックアップ→インターン参加という流れを辿れるように早めに動きましょう。
就職市場の⾒方(売り⼿市場観)
- 例年であれば売り手市場観が強い。
- 2020年のコロナ下で買い手市場観が強まった。
- 特に化学・農学・薬学系は買い手市場観が強い。
- 就活のオンライン化で地方と都市の就活格差が縮まっている。
あたりでしょうか。2021,2022年も比較的近い状況になるでしょう。
「就活のオンライン化」は一度ベースが出来上がった分、今後も継続していくと思われます。
↓企業側から見た就活のオンライン化実施状況と弊害
学生の移動などの負担はオンライン化により減りますが、企業側から見ると「直接学生を見れない」という理由で志望度の見極めや企業理解を深めることが難しいと感じているようです。
これは今後企業側の改善が進むと思われますが、数年後にはやはり直接会うという就活形態に若干量戻るのではないかと思われます。
終わりに。就活は活動量が全て。
理系の平均的な就活、気を付けるべき点について理解は深まりましたか?
就活は活動量が全てです。「良い企業だと実感した!この企業に就職したい!」という状態になるには多大な努力が必要です。
- 業界研究
- 企業研究
- OB訪問
- インターンシップ参加
- 選考対策
これら全てについて、妥協せずにやり切ること。手戻りが無いように業界や企業研究は十分してからインターンや選考に参加する事を意識して就活しましょう。
では。
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