どうも!管理人のリンリンです!
最近は就活系の記事ばかりで、たまには雑学のような記事も良いかと思います。
皆さん、カーボンナノチューブってご存じですか?
最近よく聞く、最先端材料ってやつ?でもよく知らないや・・・
という方が殆どでしょう!
実は私、大学時代にはこのカーボンナノチューブについてずっと研究をしておりました!
そこで今回は、カーボンナノチューブの全てが分かる5分間にしようと思います!
カーボンナノチューブとは?
カーボンナノチューブとは、炭素原子がハチの巣状に並んだグラフェンという物質を丸めた、筒状の炭素物質です。
直径は0.4~5nmであり、髪の毛の1/50000ほどの細さです!
なぜこのカーボンナノチューブが近年、盛んに研究されているのでしょうか?
カーボンナノチューブの性質
軽くて強くてしなやか
カーボンナノチューブは、アルミの半分の重量でありながら、鋼鉄の20倍の強度を持ちます。
特に軸方向への引っ張り強度はダイヤモンド以上であることは驚くべき性質です。
カーボンナノチューブと聞くと、「堅そう」というイメージがあるかと思います。
しかし実際にはカーボンナノチューブは非常にしなやかで、伸び縮みする性質もあります。
他の材料とは全く異なる性質であることが分かりますね!
高い導電性・熱伝導性・熱耐性
カーボンナノチューブは電気抵抗が少なく、より効率的に電気を運ぶことができます。
この性質を利用して様々なデバイスに応用しようという研究がおこなわれています。
また、熱を伝えやすく、熱に強い性質もあります。
銅の約10倍も熱を伝え、空気中では750℃まで耐えることができます!
この性質から、コンピュータの集積回路や宇宙エレベーターの素材として注目されています!
金属性・半導体性を示す
金属性とは、電気がよく流れる性質です。一方で半導体性とは、普段は電気を流さないが、一定条件では電気を流す性質を指します。
カーボンナノチューブは、グラフェンを丸めた構造であるとお伝えしました。
実は、カーボンナノチューブはグラフェンの丸め方で金属性か半導体性かが決まります。
実際には丸め方により、1/3が金属の性質、2/3が半導体の性質を持ちます。
カーボンナノチューブの欠点
価格が高い
現在では、単層カーボンナノチューブは1gにつき8万円ほどで取引されております。
めちゃめちゃ高いですよね
カーボンナノチューブの大量合成の研究もおこなわれており、徐々に値段は落ちていくと思いますが、当分は高価な材料と言えるでしょう。
有害性あり?
近年、様々な研究により、
カーボンナノチューブは有害性があるのではないか?という議論が起きています。
細長い構造のせいで肺に突き刺さり、アスベストと同じような症状が出るという研究報告もあります。
もしも有害性があるとしたら、今後の使用に大きな制限が掛けられてしまうでしょう。
構造がマチマチ
カーボンナノチューブを作ると、様々の構造のカーボンナノチューブが生まれます。
まず
- 単層のカーボンナノチューブ
- 多層のカーボンナノチューブ
に分けられます。
左側が単層、右側が多層カーボンナノチューブですね。
そして単層カーボンナノチューブの中でも
- グラフェンシートの包み方(カイラリティ)
の違いがあります。
この包み方で、同じ単層カーボンナノチューブでありながら数百種類のカーボンナノチューブが存在します。
先ほど伝えた通り、単層カーボンナノチューブの1/3が金属性・2/3が半導体性を示します。
このように、カーボンナノチューブは構造がマチマチなのです!
半導体としてカーボンナノチューブを利用したいのう。
と思っても、金属性のカーボンナノチューブが邪魔をします!
このように、同じカーボンナノチューブでも構造が少し違うものが混ざっている問題を
混合物問題(ミクスチャープロブレム)
と呼ばれています。混ざりものだからよくないよねって意味です。
カーボンナノチューブの精製
カーボンナノチューブは、様々な構造を持っていることが問題だと伝えました。
この混合物問題をなんとかしようと、様々な学者が研究を行ってきました!
つまり半導体性と金属性のカーボンナノチューブを分離しようとする研究ですね!
この研究がなんとも面白いので紹介させて頂きます。
分かりやすく、
- 金属性のカーボンナノチューブを男性
- 半導体性のカーボンナノチューブを女性
として例えましょう!
ある学者Aさんは、「女性だけのハーレムが作りたい!!」と考えました。
しかし人体錬成に関する報告は、男性と女性の混ざりものばかりでした。
学者Aは考えました。「なんとかして男性と女性を分けることはできないか・・・」
そこでAは思いつきました!
細長い筒に、宝石を詰め込んで男性と女性に通させれば、筒から出てくるスピードに差が生まれるはずだ!
このような方法は、カラムクロマトグラフィー法と呼ばれています!
他にも様々な研究があり、カーボンナノチューブの精製が研究されています!
カーボンナノベルトからの合成
2019年4月に名古屋大学の伊丹教授らのグループが、
夢の分子「カーボンナノベルト」の合成に成功しました!
カーボンナノベルトとは、カーボンナノチューブを輪切りにした構造を持っています。
この分子の凄いところは、
特定の構造をもつカーボンナノチューブを作れる可能性がある
ということです!カーボンナノベルトを基にして、炭素鎖を伸ばしていくという方法ですね!
先ほどの例で例えると、学者Aは「スレンダー美女を合成したい!」と考えました。
ならばスレンダー美女の足元だけを気合で合成すれば、あとは何とかなるだろう!という発想です。
この方法ならば、他の構造を持つカーボンナノチューブが作られる心配はかなり薄くなるでしょう!
現在はまだ、均一構造のカーボンナノチューブが合成されたという報告はありませんが、今後の進展が楽しみですね!
まとめ:カーボンナノチューブは有望な材料
ここまでカーボンナノチューブを詳しく説明しました。いかがでしたか?
非常に面白い性質があるカーボンナノチューブ、伊丹教授らが合成したカーボンナノベルトと合わせて今後の発展が非常に有望視されています!
今回は完全に雑学の記事でしたが、たまにはいいでしょう!では!
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